針金細工について私が考えていること
はじめまして。針金細工職人の林雄三(はやしゆうぞう)と申します。40年以上、針金細工を作り続けています。
「針金」という身近な素材。1本のままだと無骨で無機質な存在です。
針金に命を吹き込む作業。それが「針金細工」です。一般的には「針金アート」や「ワイヤーアート」とも呼ばれています。
世の中にいろんな針金細工が存在します。いろんな手法があります。針金細工の世界に、どれが正しく、どれが正しくない、といった正解はありません。
ただし、私なりの「こだわり」はあります。
針金に対して、溶接やロウ付けを行うと、金属の性質上、やわらかくなってしまう。形が崩れやすくなります。それは作品として、商品として、問題があるのではないか。私はそう思うのです。
お客様の手元でいつまでも、針金の特性である硬いまま、形が崩れない状態を維持し続けるためにはどうしたらいいか。
長年の針金細工の経験から、電気も火も使わず、なるべく1本の針金を曲げることのみで表現するように心がけています。私の作品は、一本の針金で仕上げるのが原則。一本の針金をどう曲げてゴールまで持っていくか、これはパズルや迷路を解くような作業に似ています。
必要な道具は、ペンチとニッパーだけ。そして、材料は1本の針金のみ。
それだけで森羅万象を表現しています。
金属を使うと、出来上がった作品は「冷たい印象」になりがちです。
私は、針金の曲線と曲線が描き出す「柔らかさ」を特に大切にしています。「針金なのに温かい」とお客様によく言われます。
私自身、作品に対して「温かさ」「滑らかさ」「優しさ」を常に意識して作っているため、非常に嬉しい褒め言葉です。
また、私の針金細工は、なるべく「デフォルメをしない」ことをモットーにしています。
あえて過度なデザインを控えた作品。
それは傍から見ると「ただのなんでもない作品」に見えるかもしれませんが、お客様からすれば「私らしい作品」だそうです。
オブジェなら、飾る場所を選ばない。
アクセサリーなら、服を選ばない。何を合わせて着てもすんなり馴染む。
「シンプルで使い勝手の良い針金細工を、お客様へ」
自然体の作品を作り続け、全国のイベントや西荻窪の店舗で、これからも多くのお客様に針金細工をご提供し続けていきたい。そう思っています。
イベント・催事に出展している理由
1年あたり10回以上、全国のデパートでのイベントやギャラリー展示を出展しています。
なぜ、催事やイベントに出展しているのか?
理由は簡単。
「直接、お客様の反応が見てみたい」
これだけの想いからです。
定番品や、当たり前なものも、トレンドで少しずつ変化を続けるのが世の常です。
そういった変化を感じ取るために、お客様の反応を現場で直接体感し続けたい。お客様の反応やアドバイスが参考になり、作品に活かせるのです。
催事やイベントの最中なら、その場でお客様のご要望を伺いながらすぐさま対応できます。
例えばちょっとしたピアスの長さの調節など、その場でヒアリングし、お客様のイメージや印象からインスピレーションを受けて修正していく作業を大切にしています。
全国の催事やイベントで、ぜひ直接お客様にお会いできることを楽しみにしております。
針金細工職人 林雄三 プロフィール
林 雄三(はやし ゆうぞう)
- 1948年:神奈川県生まれ
- 1970年:桑沢デザイン研究所 卒業
- 1972年:会社設立(トータルファッション)
- 1998年:独立後、西荻窪にワイヤーショップ アビアント オープン
- 1999年:銀座松屋にて 『第一回 林 雄三 針金細工展』 を開催
その後もギャラリー、百貨店において1年に10回以上の 『林 雄三 針金細工展』 を開催。
動物オブジェ、ミニチュア、アクセサリーなど溶接とロウ付けをしない針金細工作品。1本の針金で立体を表現することが特徴です。
天然石やどこか懐かしさのあるガラス玉をアクセントに使った作品もございます。
- 商品点数:300点
- 中心価格帯:3,000円~5,000円